スクスタ20章

まあ酷いですね。

どこが酷いのか考えると、ランジュによる同好会への執拗な弾圧に概ね集約されるという結論に至ったので書いておきます。
20章をプレイした人向けの記事です。

愛さん果林さん、転部する

愛と果林(と栞子)は部に移ります。その理由として、愛は「弾圧下の同好会では練習できない」及び「部のやり方に興味がある」、果林は「仲良しこよしではなくレベルの高い環境に身を置きたい」と言っています。

これはよいです。
同好会入会前、愛は「色々楽しみたいから1つの部活には入らない」といい、果林は軽い気持ちという感じでした。それが「練習したい」「レベルアップしたい」と思うまでスクールアイドルに熱中しているのはよいことです。(練習できないのは弾圧のせいですが)
これだけならば、同好会メンバーに接してる態度をまあまあ許せるというか、かすみんが意固地になっているという言い方も出来ます。

しかし、同好会は弾圧を受けている。そして愛と果林はその弾圧を行っている部に行った。
これは歴史物でよくある、もとい世界中で現在進行形で発生している「弾圧に耐えかねて体制側に寝返った」状態なんですよね。
実際の世界では弾圧をどうにかするのは難しく、命にも関わってくるので寝返りがいいとか悪いとかは余人が判断できる問題ではありません。しかしスクスタストーリーは当然ながら現実ではなく、そもそも理事長の娘だからといって生徒会役員を自分のために使って弾圧しているというのが無茶苦茶なので、同様に無茶苦茶な手段で弾圧を跳ね除けることだってできるはずです。
こう考えると、さっさと寝返るのではなく、同好会に残り、いかに弾圧をかいくぐり、逆転するかを一緒に考えてほしかったというのがあります。

とはいえ、話の作り上そう簡単に解決されては困るというか、ここで一旦離脱者を出したいという考えがあったのでしょう。それはそれで構いませんが、その場合愛と果林の振る舞いが問題になります。
「練習したい」「レベルアップしたい」という目的があるにせよ、同好会を弾圧する部に行った。
同好会メンバーは「仲間」で「ライバル」と表現されますが、どこに身を置こうが「友達」ですよね。
友達を苦しめている部に参加した。なんなら部に参加することによって部の勢いを増すことに一役買っていると言える。そんな状態、同好会に顔向けできないと思うのが普通でしょう。同好会とは袂を分かつぐらいの覚悟で行ってほしいし、そこまでいかずとも、自分からは極力同好会に関わらないようにするでしょう。

ところが愛と果林の軽薄な態度。「まだ転部したこと言ってるの?」と言わんばかりのヘラヘラした言動。同好会は相変わらず弾圧されてるのに。ここがあまりにも酷いところです。思いが至らないのだとしたら考えが浅すぎる。同好会メンバーと愛と果林を直接会わせなくても話は作れた。もしこれが必要な演出だと言うのなら、その狙いは愛と果林を貶める以外にないでしょう。

終盤、部は同好会のゲリラライブにぶつけてライブを行います。これは主人公が動揺していることからもわかるように偶然ではなく、ゲリラライブの正確な場所がわからず監視委員会(これひどすぎる)を送り込めないから観衆を奪っちゃおうということでしょう。そんな明らかな妨害目的ライブで、3人はどんな気持ちでバックダンサーを務めたんでしょうね。まさか「これで観衆を奪われるようならその程度のレベルということ」などとは思ってませんよね。弾圧されてるのでフェアな勝負になってませんからね。

しかし、酷い一枚ですね。 f:id:AT_libra:20201101200203p:plain これ、弾圧がなかったとしてもキツいわ。それぞれソロ曲の衣装を身につけながら、やってることはバックダンサー……。金あるんだろ? バックダンサー用に衣装用意してやれよ。蟹もな。こんな立ち回りさせるんだから、ソロ曲衣装でバックダンサーとか惨めさの上塗りやめろよ。そんな考えには至りませんか。

ランジュ、悪なるもの

これまで、弾圧という要素を入れたことによる愛と果林への悪影響を書きましたが、弾圧を行っている張本人、ランジュについて。

ランジュがなぜ弾圧しているのか、明確な発言はありませんが、普通に考えるなら「自分がせっかく最高の部を作ったのに、部に入らずスクールアイドル活動をしているのが気に食わない」といったところでしょう。これなら弾圧は明確な嫌がらせ、悪意ですね。

ところが栞子は、ランジュについて「悪意はなく、自分の行動がみんなにとっていいこと、正しいことだと思っている」と述べています。
この栞子とかいう女、生徒会長かつランジュの幼馴染ということで、ランジュを止めうる最有力候補なのに、口だけ「なんとか協力します」といいつつ何もしてませんね。まああんまり動かれてもまた栞子無双かよって言われそうで難しいところではありますが。

話がそれました。ランジュに悪意がないのならば、弾圧を行う理由は以下のように考えられるでしょう。

スクールアイドルをやるなら自分の作った部に入るのが正しい。しかし同好会メンバーは入らない。それは同好会が存在するから。だから同好会を活動不能にして、部に入るように仕向けよう。それが本人たちのため。

いずれ私が正しいとわかり感謝する日が来るでしょう、とでも言いそうですね。これは……まあ雑に言うとヤバいやつですね。悪意がないのはもっともタチが悪いと言いますが、それですね。

様々な時空でスクールアイドル部は廃部の危機に晒されていますが、廃部にしようとする者の動機は「自分たちが辛い思いをした」とか「関係者が惨めな人生(主観)を送るのを見た」から「同じ目に遭ってほしくない」という、間違ってはいるんですけど相手のことを考えてのものなんですよね。
ランジュも押し付けだしあまり変わらないのでは? という考えもあるかと思いますが、前2名は心境を語るとき憂い、悔しさ、辛さを滲ませそうなのに対して、ランジュは平然と、むしろ笑顔で言いそうだなってのが僕の考える違いです。

ランジュについては以上のように考えているのですが、率直に言ってヤバいやつは不要でしょう。そういうゲームじゃねえからこれ。しかもただ登場するだけでなく、ゆくゆくは仲間になるやつですよね? 3Dモデルまで作ってんだから。しかしたとえ改心したとしても、ヤバいやつが仲間になるのは嫌です。というか改心可能なんですかね? いや、改心してヤバさが抜けたとしても、弾圧はあまりにも大きすぎるマイナスです。栞子は仲間になりましたが、栞子はこんな不当かつ執拗な弾圧をしていないでしょう。

それでも、仲間になるんでしょうね。一体どう着陸させるのでしょうか。

まとめ

ランジュが同好会を執拗に弾圧しているため、既存キャラが貶められ、ランジュの今後についても納得できる経過は到底望めないということを書きました。