「時間がない」とSpotifyの話とか

KIRINJI「時間がない」がなかなか気に入りました。

音楽としてもさりながら、歌詞の

まだ母さんは惚けてはない
今日も息子は学校に行かない
まだローンは残ってるし
俺、まだ世界を見てない

というところがなんとも、聞き流させてくれない感じです。「世界を見る」とかいった、未知のものへの好奇心というのは僕にはない(欲しくてしょうがない)んですが、それがある人にも僕と同じような(僕は結婚すらしてませんが)日常がある―平凡な日常を送りながら好奇心を絶やさないということを、全体でたった4フレーズの、最後の1フレーズで突然、しかし流れるように表現しているのが意表を突かれます。もうちょっと尺を取っても良さそうなテーマですけど、それこそ「時間がない」というところでしょうか。

 

www.sokonoasai.com

なんとなくググったらこちらの記事がヒットしましたが、これによるとKIRINJI(旧キリンジ)はもともと兄弟で、現在は弟が脱退しているそうです。
キリンジ」は昔Bay FMかなにかで何度か聞いたような気がするんですが、そのときはいいなと思った覚えがないですね。弟の特色が出た曲を聞いたのかな。

www.sokonoasai.com

筆者の方は、続く記事でKIRINJIの最新アルバム「愛をあるだけ、すべて」を取り上げる中で、少し前に話題になった以下の記事に触れています。

amass.jp

これに関して、少なくとも僕は逆です。30を過ぎたこの歳になってから新しい音楽を聴くようになりました。これは完全にSpotifyのおかげですね。Spotifyの「アーティストRADIO」を聴いていると、聴いているアーティストに近い他のアーティストの曲が再生されてくるんですね。実際にそれで「時間がない」を聴きました。確か、Fantastic Plastic MachineのアーティストRADIOだったかな。
「もともと聴いている曲に近い曲を」「ストリーミングで」聴くことが「新しい音楽を探」すことに該当するかと言われると困るんですが。

ちなみにSpotifyで「愛をあるだけ、すべて」からは他に「AIの逃避行」を聴き、これも気に入りました。この曲はCharisma.comというアーティストとのコラボで、Charisma.comの曲も聴いていくつか気に入っていたんですが、ふと調べたところ無期限活動休止だそうです。

それにしても……自分が中学生ぐらいの頃にSpotifyがあれば「CD高くて買えないしMD持ってないから借りてもしょうがない」だとか「マイナーだから地元じゃ手に入らない」なんてことはなかったのに。いや、Spotifyに限らず様々なサービス、っていうかインターネットですね。最近の子が羨ましい。僕も「欲しいものは手に入らない」と学習しなければ「まだ世界を見てない」と思えたかもしれない。欲しいものが欲しい……